野球のこと
ことしも多くの選手が引退した。
中日ファンだから、基本的には和田、山本昌、小笠原、谷繁など、
中日関係者の引退に心を痛めるべきなのかもしれない。
しかし思ったより痛まない、みんなトシだし、既定路線だからだ。
(和田はちょっとびっくりした。まだスタメンで活躍できると思う)
僕が心を動かされたのはカープ東出だ。
彼は引退の時にこんなことを言ったからだ、
<東スポWebから引用>
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/458971/
通算成績は1492試合に出場し、打率2割6分8厘、12本塁打、262打点。低迷するチームを支えた中心選手だったが「半分冗談で半分本気だが、マエケンや黒田さんを見ているとピッチャーをやってみたかったなと思う。練習から本気でやってみたかった」と本音を明かした。
東出は基本的には守備の人で、中日ファンからは正直言って、別に印象に残る選手ではなかった。
でてきても「ほーん、東出か」くらいの感じで、脅威には感じていなかった。
だけど引退時のセリフ「ピッチャーをやってみたかった」は妙に心に刺さる。
ウィキペディアを見ると、高校時代は「投手兼内野手」だったという。
僕は詳しくないから、当時の比重が投手だったのか内野手だったのかわからない。
プロ入りした時からはずっと内野手で、二塁手としてベストナインを2回も取った、まぎれもない名手だ。
それじゃあ満足じゃないのか。
それでもピッチャーがやりたいのか。
内野手として躍動するエースや、炎上する中継ぎの姿を見ながら、どうやって自分の職責を全うできたのか。その心中はどうなっていたのか。
あきらめていたのか、嫉妬は無かったのか、それとも引退時の思い付きで言ったのか。
別に東出選手に突撃して「ぜひ聞きたい!」と思ってもいないけれど、
かれのセリフにはやっぱり、心の中で「妙なモヤモヤ」を掻き立てる何かがあると思う。
ピッチャーになれた少数と、ピッチャーになれなかった多数。
ピッチャーになれなかったけど名選手になれた東出選手。
それでも最後までピッチャーにあこがれた東出選手、の引退。
そういう、ドラマが込められていると思う。
そういえば和田と小笠原はキャッチャーになれなかった名選手だ。
ポジションにこだわってもしょうがないのか。捨てきれない想いはあるか。