低山の世界。
最近、登山を始めて月イチペースぐらいで山に登っている。
僕の行く山は低山だけど、上級者の世界は凄まじい。
「おれ今日で2周したよ」というおっさん。
IN猿投山。(標高629M)
元気に3周目に向かうという。
「走って登るのさ。」というおっさん。徒歩でもキツいのに走って3回目ですか?
推定50歳を超えてアスリートにもほどがある。
「おれ今日4回登ったけど、スズメバチにあって結局、頂上には行けなかったよ」というおっさん。
IN多度山(標高402M)
4回登ったのに4回ともスズメバチに追い払われたおっさん。
まだ登るのですか。危険ですから、今日は止めたほうがいいんじゃないんですか?
「無理はしないよ」
とズメバチの様子を見に行くおっさん。5回目の登山、格好良すぎます。
これほどの登山者たちに、名古屋からほど近い低山でお目にかかれるとは。
エベレストでしか会えないと思っていた山に取りつかれた男たち。
意外と身近にいらっしゃいました。
山とは、一回登って一回下ってコンプリートでは無いらしい。
何周も何周も、登り下りを繰り返すスタイルの登山があるらしい。
「あなたはなぜ山に登るのですか?」
この問いかけは、彼らにこそふさわしい。いやほんと、一往復で十分じゃん。
低山の世界。
ジャージの老夫婦から、ガチ装備のクライマーから、犬の散歩から、
初心者ハイカーから、アスリートの訓練から、赤ちゃん連れの散歩まで。
そして幾度も下界と頂上を往復する周遊者たち。
「里山」なんて教育的なお題目を蹴とばして、ひたすら無意味に楽しむ山。
日常のちょっとした娯楽場として押しも押されもしない山。
建前が無い登山者のピュアな山への愛が、むせかえるほどに充満する山。
気に入りました。
また来よう。
一往復したら帰るけど。