屈強な男性のブログ

チャンピオン・ジャンプの感想を中心に、日々の雑記とか諸々

週刊少年ジャンプ2017年の感想

あけましておめでとうございます!


2018年も前向きに頑張りましょう!

早速ですが2017年のジャンプ新連載を振り返ってみます!


なおこの記事は、こちらのサイトを深く参考にさせていただきました!

「週刊少年ジャンプ」新連載作品リスト(2017年): 朴念仁と居候

 


・「僕たちは勉強ができない」筒井大志 10号~連載中

2017年のジャンプを語るうえで避けては通れない最大トピック【新連載6連弾】の第1弾として堂々のスタートを飾る本作。
「サンデーっぽい絵柄の漫画の漫画だなあ」というのが第一印象。


初期ヒロインたち(文系・理系)には魅力を感じなかったが、体育が登場したあたりからラブコメ密度がギュッと高まって面白くなった。
可愛いからね、うるか。可愛いからね。
かといって体育だけに人気が集中するわけではない。
純愛キャラの体育を梃子にしてヒロインたちを刺激している。
文系を恋愛師匠にしたり、理系の恋愛無知を強調にしたり、いろいろなテクニックを駆使して、各ヒロインの魅力を引き出している。

うむ。なかなかよくできている。いま人気投票をしたら誰が一位になるんだろう・・・
バランスどりが非常に上手な作品だ。
いつの間にかニセコイの後釜に収まり、そしてニセコイを超え、2010年代最強のラブコメ漫画になっている。
(ちなみに2000年代最強ラブコメ太臓もて王サーガです)

 

・「U19」 木村勇治 11号~28号

【新連載6連弾】の第2弾
少年たちが「大人党」に反逆する物語。
ジャンプには珍しい思想を前面に押し出した説教臭い作品だった。
うーん、つまらん! 
敵が「権力に媚びへつらう大人」なんだけど、その描き方があまりに上手すぎて、嫌らしさしか感じなかったのが敗因だと思う。
強大な敵! カッコいいライバル! というのがいなかったしね。
ラオウではなくてひたすらジャギを相手に戦っても・・・うーん、緊張感がないよね。
テーマ的に青年誌向けの作者なのかも。

なお、この記事はこちらのサイトも深く参考にさせていただきました。

【ご愛読】2007-2017週刊少年ジャンプ打ち切り・円満終了マンガ一覧【ありがとうございました】 - NAVER まとめ

 

・「ポロの留学記」 権平ひつじ 12号~29号

【新連載6連弾】の第3弾
魔王のほのぼの異世界体験記!
・・・なわけだが・・・なかなか軌道に乗れないまま終わってしまった。
可愛い絵柄は素敵だが、印象に残るエピソードが少ないのが残念。


・「腹ペコのマリー」 田村隆平 13号~46号
【新連載6連弾】の第4弾
べるぜバブの田村先生の作品。
いやー第1話は震えたね。面白かった。
流石、ヒット作者!って思ったもんね・・・。
ただそこから先が無茶苦茶だった。僕はこの漫画ほど迷走した作品を知らない。
ヤンキー抗争? 歴史IF? ラブコメ? 能力バトル?
どれがメインなのかわからないまま、軸足常にブレさせながら、結局どこに着地するわけでもなく、なんとなく打ち切りエンドになった次第。

1話1話とか、1ページ1ページは面白かった。さすがのセンスを感じました。
だけど、全編通してまとまって読むと「???」って感じ。

近年稀にみる迷作である。

 

・「Dr.STONE稲垣理一郎(原作)Boichi(作画) 14号~連載中

【新連載6連弾】の第5弾

うおおおお!2017年のジャンプはこの作品のためにあった!
アイシールド21の理一郎先生がまさかヤング誌で活動するBoichi先生と手を組む為害性! そこからうまれる大傑作!!!
こういう作品と出会うために僕は毎週ジャンプを買い続けているんだなあ・・・としみじみ感じ入る。

感想を書くといろいろ長くなるので割愛するので僕の一番好きなシーンだけ書きたい。
僕のベストは、もちろん、「電気を灯すシーン」だ。
あのシーンのクロムの真剣な眼差しが好きだ。
Boichi先生の少年誌寄りに簡略化した絵が弾けて、ちょっとリアルな画風になって描かれる、クロムと妖一が好きだ。あの見開き含めた数ページに、科学の偉大さと、科学にあこがれる少年の心情をよく描き出したと思う。
2017年で一番感動した。

 

・「ROBOT×LASERBEAM」 藤巻忠俊 16号~連載中

【新連載6連弾】の第6弾! 大トリを飾るのは黒子のバスケで大人気を博した藤巻先生だ!
高校ゴルフ漫画! ・・・と思っていたら、連載途中で3年飛び越えてプロゴルフ編へ・・・アレレ? 迷走してんのかな?
正直、高校編はイマイチ面白くなかった。味方も敵もキャラ薄いしね・・・いきなりプロ編に飛び込むのはアリだが・・・実に思い切りがよい。
しかし・・・高校でゴルフデビューしたロボ君が3年後にプロ・・・?

うーん。

とりあえず、今週号で主人公が「絶対にホールインワンする能力」の持ち主だということが分かった。トンデモ能力である。
ジャンプ読者ならみんな大好きトンデモ能力!
もちろん僕も大好きだ!

「どこからでもスリーポイントシュートが入る」緑間君がバスケの常識を覆したように、このゴルフを根底から覆すトンデモ能力を生かし伝説的ゴルフ漫画に成長しててほしいと思う。

 

・ 「シューダン!」 横田卓馬 28号~連載中

背すじをピンと!でおなじみの横田先生の最新作である。
このひとの漫画は面白いんだよなー・・・本作も面白い。
だけどピンとこない。

多分、表題と同じく、「集団」をテーマにした群像劇なのが原因だ。
静岡県特有の「サッカー少年団」をテーマにしたのが渋すぎるということもあるが、このピンとこなさはもっと表層的な面にある。

「勝ち負け」をテーマにしていないからだ。


サッカーというシンプルで、誰にでも理解できるスポーツをテーマにしながら、この作品の面白さがわかりづらい。

だってさ!んだよ「群像劇」ってさ!
ぜったいさ!スポーツ漫画だよ。前作はダンスみたいな文化部よりのスポーツだったらから良かったけど!
今回はサッカーじゃん!ガチガチのスポーツじゃん!
読者の興味は「勝った負けた」じゃん!
その辺りを弱めて、人間関係の「絆の深さ」とかをテーマにされても、なんかすっきりしない。
まずは殺し合ってほしい。

あと、この漫画、急に小学生編から高校生編に時空ワープした。
学生相撲から大相撲にワープした火ノ丸相撲といい、学生ゴルフからプロゴルフにワープしたロボレーザービームといい、空前のワープブームである。

 

・「クロスアカウント」  伊達恒大 29号~連載中

マガジンっぽい恋愛漫画
すまん!読んでない! 
唯一、ジャンプで読み飛ばしている作品であり、それゆえ感想が書けない。
さっさと打ち切りになればよいと思う。

 

・「トマトイプーのリコピン大石浩二 45号~連載中

いぬまるだし!の作者です。
読み切りがあって、評判が良かったから本連載になったと思う。

でも、まるだしのほうが面白かった。

時事ネタが多するからか、笑えるネタは多いけれど・・・。

意外と構成で笑わせる作家なのだが、そういう話があんまりない。

 

・「フルドライブ」 小野玄暉 47号~連載中

わぁい卓球漫画! わたし卓球漫画だぁいすき!
P2!以来の本格卓球漫画がジャンプで掲載! 
アゲハ? ぷーやん? ・・・知らない子ですね・・・。

荒っぽくも迫力のある構図はすげー才能だが、いま一番の打ち切り候補だ!

原因は主人公のキャラ付けだ!
テニプリリョーマっぽい主人公なのに、動揺したり恥ずかしがったり・・・キャラがぶれている!
主人公のキャラブレは人気低下の原因だぞ!
もっと自信をもって!

ドライブの書き方とかはカッコいいし、迫力がある!
あとはキャラ!無理してでもキャラの芯は押し通してほしい。

 

・「ゴーレムハーツ」 大須賀玄 48号~連載中

正当派ゴーレム漫画!

読み切りの時読んでいたけど
「なんだこのくそつまんねー漫画・・・絵も下手だし、話もつまらん」
と思ってたけど、なぜか連載!

相変わらず話はツマランが、絵がすげーしっかりした感じになったと思う!
絵というか線が太くて強くなったのがいいと思う!

あとは魅力的で応援したくなるキャラを増やせるかどうかだ。
俺はあの女師匠は好きだぜ! おっぱいだし!

ちなみにこの漫画も少年編から青年編に時空ワープした!

2017年はやたらと時空ワープの多い1年でありました!

 

 

 

 

 

ちな去年の分!

新連載で振り返る2016年の少年ジャンプ - 屈強な男性のブログ

 

今週のジャンプ感想 2017年50号

スゲー久々にジャンプの感想を書きます。

今週のベスト3

 

1位:青春兵器ナンバーワン 長谷川智広

住めば都のコスモス荘というか、どてらマンというか、

隣同士で済んでいた敵と味方が、ついに邂逅する回。

まあ前述の2作より状況が切迫していない分、のんびりしていたが。

 

妙に感動する話ではあった。

日常を継続するか、あるいは日常を捨てるか。

そういう分岐点を描いたお話だったと思う。

成り行きでなくて、登場人物の意思に委ねた回だった。

 

選び取ったのは日常だった。

エージとナンバーズ、№03と№09。

それぞれの友情が素晴らしく、今までで最も青春してた回だと思う。

 

 

2位:グーとグー 谷本達也

読み切りボクシング漫画。

絵は達者。冨樫義博先生にそっくり。元アシかもしれない。

好きな漫画は幽遊白書だとプロフィールにある。

影響を受けたのは間違いない。

ただ、セリフやコマの間のひとつひとつに、妙なあだち充を感じてならない。

俺だけだろうか?

妙にH2っぽい気がするわ。

 

 

3位:ゴーレムハーツ

いままでまったくクソツマラネェ漫画だと思っていたが、

新キャラのエイルのおかげでちょっと面白くなってきた。

絵にも厚みっつーか魅力がでてきた。

土下座の描写は、ちょっと誤解を招くような表現だと思うが、俺は好きだ。

打算と知っていようとも、息子の頭を下げる父親・・・熱いじゃないか。

ここでようやく、序章の終わり。

10週打ち切りでもいいと思ったが、すこし長く読みたくなってきた。

 

週間少年チャンピオンの新連載で振り返る2016年

新連載リストはWikiぺぢあから抜粋した。

 

 

・正義の殺人鬼  鈴木優太 2016.09号から2016.35号

大天才・鈴木優太先生の初連載。

この作者は新人ながらも、2015年には読み切りを5作程度連続で出していて、どれも傑作だった。はっきり申し上げて他の新人とはレベルが違う。

どう控えめにみても大天才である。

だけれども、この新連載、全然面白くなかった。

 

onecall2ch.com

このマトメを読むと、チャンピオン編集部が「JOJOっぽ過ぎるなあ」とか考えて、鈴木先生の表現を制限したのが敗因だ。

 

いーんだよJOJOっぽくて!

 

鈴木先生の個性は荒木先生のマネをしつつ、尚、光るものがある。

鈴木先生の個性は荒木先生の個性を超越できる資質がある。

もっと自由に書いてほしい。

 

 

・放課後ウィザード倶楽部     渡辺義彦(漫画) 架神恭介(原作) 2016.16号から2017.2号

第一話を読んだときは「これからどんな冒険が始まるんだ?」とワクワクしたのだけれど、結局たいした冒険はできずに終わってしまった。

 

作画の渡辺義彦の前作「バーサスアース」は大好きだった。

架神恭介先生は有名な作家らしい。だけれど、明らかに脚本が迷走していたし、作画に耐えうるストーリーを提供できなかった。

 

・ミドリノユーグレ     藤田勇利亜     -     2016.18号 連載中

放課後ウィザード倶楽部に続く大型連載である。

第1話は最高にワクワクしました。

だけれども竜頭蛇尾で、よくわからないまま連載終了してしまった。

この主人公は元気で好きだったが、脇役キャラクターを魅力的に設定できなかったのが原因かも。

 

 

・猫神じゃらし!     福地カミオ     -     2016.19号 連載中

チャンピオン純正作家「福地カミオ」先生の新連載です。

デビュー作の短期集中連載からチェックしているが、絵柄はどんどん柔らかくなって、可愛らしさがUPし続けている。おっぱいも実に柔らかそうに描き、とても素敵だ。

萌えマンガとして、まんがタイムきららで連載していてもおかしくない。

ねこきっさとタメを張れる。

 


・マル勇九ノ島さん     木佐貫卓    2016.26号 連載中 

魔王&勇者・・・

いかにも「小説家になろう」っぽい世界観だ。

そんなに嫌いじゃないけど

 

 

・永遠の一手 -2030年、コンピューター将棋に挑む-     松島幸太郎(漫画)     伊藤智義(原作)2016.28号 2016.40号

面白かった。

2016年の最高の収穫といって過言ではない。

とくに松島幸太郎先生の作画がよい。

イケメンとそれ以外を明確に峻別しつつ、かつ、嫌味にならないキャラクターデザインが達者だ。(つまりブサイクの書き方が上手い)

松島先生は当代きっての作画屋であるとヒシヒシと感じた。

さらに演出も上手く、将棋の緊張感がビリビリと伝わった。

テーマの将棋も、「電脳戦」が記憶に新しく、チャンピオンとしては珍しくタイムリーな企画だった。

 

これはいいマンガだ!と思っていたところ、続編の読みきりも発表されたが・・・うーん。本作ほどの面白さは感じなかった。

 

 

・六道の悪女たち     中村勇志  2016.30 連載中

ピンとこない・・・それなりに人気があるようだが・・・ピンとこない。

 

 

・ベルリンは鐘 ヤッホー! ニャロメロン     -     2016.40 連載中

ニャロメロン先生はネットマンガでは爆笑の作家だけれど・・・うーん。ネットマンガよりおもしろくない・・・

 

 

・BEASTERS     板垣巴留     2016.41 連載中

大好きな作品です。

読みきりで3作くらいプレ連載していて、中でも「惚れた肉食獣に、小指を食わせた草食獣」のストーリーがいまでも印象にのこっています。

繊細なストーリーとそれを支える作画演出力が伴った作家です。

傑作・・・ですが、少年漫画っぽくはないですよねぇ・・・。

 

 

・あつまれ!ふしぎ研究部     安部真弘     2016.41連載中

イカちゃんの作家ですが・・・。

イカちゃんのほうが好きだったなあ。

席を福地カミオ先生に獲られて、取り返せないイカちゃんって感じだ。

 

なんだろう、男主人公が不快なのかな。

 

ハーレムマンガとして読めばソコソコなのかもしれないけれど、ハーレムとイカちゃんは別のジャンルのマンガだしなあ。

 

 

・まとめ

なかなかの粒ぞろいではな有るけれど、

「AIの遺伝子」「吸血鬼すぐ死ぬ」「少年ラケット」「ハリガネサービス」ほどのインパクトは無かったかなあ。

BEASTERSは面白いけれど、渋すぎる雑誌がさらに渋いことになるので、一長一短ですわ。

 

松島先生・渡辺先生は、良い原作者を得て、紙面に帰ってきてほしいと思います。

 

新連載で振り返る2016年の少年ジャンプ

 そろそろ今年を振り返ってもいい時期だ。

新連載を題材に週間少年ジャンプを振り返ってみる。

 

作品リストはWikipediaから抜粋した。

 

・ゆらぎ荘の幽奈さん ミウラタダヒロ - 2016.10 連載中 -

今年の出世頭。

古きよきお色気マンガである。

絵柄が似ているぶん、TO LOVEるよりエムゼロっぽい雰囲気だ。

幽霊(巨乳)、猫又(ロリ)、管理人(ロリババア)、酒呑童子(露出狂)、退魔忍(へっぽこ)・・・とパターン網羅していて、しかも舞台が温泉つきアパート!

ラブひな以降20年続く、古典的でディフェンシブな構成である。

少年誌に退魔忍を出したのが唯一のオフェンシブ要素といえるのかもしれない。

 

新しいアイデアが少ないので、あまり僕の好きなアプローチではないが、気がつけばすっかりジャンプに定着してしまった。

まあ、お色気マンガなんてこんなもんだろう。

固定ファンが多いのもわかるし。おっぱいは正義だし。

 

・鬼滅の刃 吾峠呼世晴 - 2016.11 連載中 -

「ビミョーだしすぐ終わるだろう」と思っていたが、人気を得たらしく、現在まで連載を繋げている。

作者の独創的なセンスは読みきりから注目していた。ただ、ちょっと青年誌寄りの内容だったので、ジャンプでヒットするとは予想していなかった。

絵柄の繊細さも青年誌に向きだし、迫力あるバトルが絶対に必要なジャンプでは連載しないと思っていた。

 

予想に反してバトルマンガで連載し、ヒットの兆しすら見せている。

意外だ。

 

和風なセンスが受けたのかのかもしれない。

それに炭治郎の「おれは長男だったから我慢できたけど、次男だったら危なかった!」みたいな台詞に顕れる、作りこまれたキャラクター造詣が人気なのかもしれない。うーん。上記にあげた台詞は好きなのだが、全体的には、正直ビミョーだ。他の新連載があの体たらくなので、しばらく連載は続くのだろうが・・・ちょっと様子見だ。あと、善逸をもっと活躍させてほしい。

BORUTO -ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS- 池本幹雄(漫画) 岸本斉史(原作・監修)小太刀右京(脚本) 2016.23 連載中

ナルトの外伝。あんまり面白くない。

 

・たくあんとバツの日常閻魔帳 井谷賢太郎 - 2016.24 2016.44

女の子が可愛くてエロいのでもうちょっと人気が出るのかと思ったけど、あっさり20週で撃沈した。

ケツとフトモモに妙に執着していて、ケツを顔面に押し付けたり、フトモモで顔面を挟んでみたり、そういう気持ち悪いこだわりが好きだった。

絵の上手い作家だが、連載の後半は息切れして雑になったのは残念だった。彼の歪んだ性癖の世界をもう少し眺めていたかった。

 

・約束のネバーランド 出水ぽすか(作画) 白井カイウ(原作) 2016.35 連載中

バイバル&脱出モノ。

作画・原作ともに新人だが、たぶん原作はベテラン作家の変名だと思う。

一定の緊張感は保ちつつ、かつ、丁寧に描いている。洗練されたエニグマを呼んでいるようだ。

毎週、状況が悪化してたり良くなったり・・・徐々に物語は進展するが、今のところスカッとするシーンは無い。

みごとに脱出を果たしたら最高のカタルシスなのだが・・・連載はそこまで持つのだろうか。

 

わりと楽しみに読んでいる作品である。ガンバッテほしい。

 

・ラブラッシュ! 山本亮平 - 2016.38 2016.50

今年の新連載、堂々1位の作品である。僕の中では。

キャラクターが愛らしく、生き生きとしていたので心地よかった。主人公も本ヒロインも誠実で嫌味無く、何よりココロちゃんがとてもかわいい。

そして展開がスピーディー。

2話目で本ヒロインに告白しちゃうくらいにスピーディー。

同時期に連載していたニセコイがウダウダやっていたせいで、このスピーディーさが痛快だった。

 

ニセコイの後釜に収まると思っていたが、速やかにジャンプから退場と相成った。

ただし、きれいにストーリーを完結させているので、打ち切りの印象は無い。

計算された構成の短期集中連載みたいだ。

 

・レッドスプライト 屋宜知宏 - 2016.39 2016.52

好きだったんだけどなあ。

少年誌の王道ってこんな感じだったんだけどなあ。

10週そこそこで打ち切られてしまった。

 

打ち切りの原因は数あれど、自分が一番引っかかったのはモノ君の扱いだ。

 

お前らモノ君を電力奴隷から開放するために、帝都から救い出したんちゃうんか。

レッドスプライトの中でモノ君を電力扱いしてどないすんねん。

電力人間の人権を踏みにじり、電力を搾取する帝国を憎んでいるんとちゃうんか。お前らが同じことしてどうするんや。

 

救い出したモノ君にコードをつなげるときに、ひとエピソードあっても良かったのかなあ・・・と思った。

それかあの痛々しいコードのデザインを変えるとか・・・

五本指を全部コードに繋いでさぁ・・・痛そうじゃん。

あんまり救われた感じがしないんだよねぇ。

 

・歪のアマルガム 石山諒 - 2016.45 連載中

三ッ首コンドルの作者のリベンジ。

主人公の相方にイケメンを配して婦女子票を狙いにきた、スタイリッシュアクションマンガだ。

絵はとても上達しているし、イケメンもカッコいいが・・・連載順を見る限り、芳しくないようだ。

敵組織が魅力的に描けるかどうかが、生き残りの鍵となるのか。

 

・青春兵器ナンバーワン 長谷川智広 - 2016.46 連載中

第一話はクソつまらない打ち切りマンガの典型だったが、だんだん面白くなってきた。

熊殺しのあたりから、徐々に。

上手く打ち切り回避して、定位置をつかめればよいのだが。

 

・デモンズプラン 岡本喜道 - 2016.51 連載中

薄味・・・。

いまのところ印象に残るキャラもシーンも無い。

打ち切り候補筆頭である。

 

・オレゴラッソ 馬上鷹将 - 2016.52 連載中

いますぐ連載を辞めるべきである。

「テコンドー選手がサッカーをする」という少年誌らしいアイデアは良い。

テコンドーは足技の達人である。サッカーとの相性は抜群だろう、キム・カッファン

 

ただ、愛が無い。

 

テコンドーにもサッカーにも愛が無い。というかスポーツそのものへの尊敬がまったく無い。馬鹿にしている。

 

そもそもこの作者、直近の読みきりはポップでキュートなSFマンガだ。

僕はそれが好きだったのに、なぜサッカーマンガで連載なのか。

お前の友達はボールではないはずだ。

SFを描けばいいのに。可愛いグレイ娘をまた見たい。

 

・まとめ

ラブラッシュ!!が好きだったのだが、打ち切られた。

2016年はそんな一年だった。

それ以外は何も無かった。

応天の門を読む

漫画「応天の門」を読む。

 

平安時代菅原道真が、さまざまな事件の謎を解いてゆくストーリーだ。

一応、「探偵モノ」というジャンルに属するのかなあ。

惹句には「菅原道真在原業平とのバディ」と書かれているけど、道真の頭脳が凄すぎてバディとして成立していない。

ただ、道真が「青年」であるのに対して、業平は「百戦錬磨の壮年」として描かれている。道真は実務を持たない学生の身分であるのに対して、業平は検非違使のリーダーとして都の警備を守る責務がある。

バディモノとして読むには、この差には抵抗がある。

作者としては、この「若き天才・菅原道真」と「成熟した色男・在原業平」の対比こそがこの作品の狙いなのだろう。

 

だが読者としては道真に肩入れせざるを得ない。

理由はいろいろある。作者の書き方が均等でないことも含めてである。

ただ、決定的な理由としては、業平は完璧な色男過ぎてつまらないからだ。道真は完璧な理論を持ちながら世間知らずだったり、精神的に未熟だったりして応援したくなる。

 

年齢差は作者の萌えか?

たとえば、「踊る大捜査線」の青島と室井は「身分は違うが同年代」のバディだ。あるいは「地球防衛企業ダイ・ガード」の赤木と城田とかもそうだ。

もっている責務が違う。役割が違う。でもせいぜい「先輩・後輩」の間柄で語れる年齢差の範疇だ。

おそらく女性作者であろうが・・。まあ少年誌しか読まない僕としては、歓迎すべき刺激ではある。だから「バディ」として描かれる価値がある・・・あるのか?

 

 

キャラクター論に及んだが、この漫画の一番の魅力はそこではない。

平安時代のリアリティー」だ。

遠くにあった1000年以上前の時代を、緻密な時代考証をもって紙面に再現させる。

平安時代? 興味ねーよ」って思ってた僕を「平安時代好き」にさせてくれるだけの力がある。公家社会のリアリティがすげーからだ。

実際に「そうである」かは別として、色気のある筆致で描かれる細やかな時代考証が「OK!だまされてやろうじゃないか」と思わせるだけの魅力となっているからだ。

おまけページも充実していて、わかりづらい時代背景が丁寧に解説されている。

 

ただし、読者の「だまされてやろう」という、意図的な協力が必要で、「気がつけば惹き込まれてしまった」という感じは無い。

僕は「マンガ大好き」だから積極的にだまされたけれど、ほかの読者にはどうなんだろうかなあって、まあ、大きなお世話なんだろうけど。

週間少年チャンピオン7号 感想

ベスト1『 兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿』

 

本作品、というより、

木々津克久という作家がチャンピオンで連載した

名探偵マーニー』『兄妹・・・』と続く少女探偵の

まとめというか、総括というか、そういう回だった。

 

マーニー(名探偵マーニーの主人公)と蛍(兄妹の主人公)は

「推理力の高い女子高生」という設定がソックリで、

言い方は悪いが「キャラクターの焼き直し」に近い存在だった。

 

ただし、蛍のほうがタチが悪い。

上っ面を取り繕い、打算をもって他者と関係をつくり、

有利な状況のなかで立ち回る。

 

頼りになる大人がいない環境で育ったせいだし、

その打算は常に人助けのためだけど、ヒロインとしては可愛げがない。

 

そういう「計算や打算」こそが蛍の特性であり長所であり、

「ゆがみ」だ。

 

今週は、その「ゆがみ」こそがテーマだ。

 

木々津作品は「ゆがみ」のある人間がたくさん出てくる。

たいてい変態であり、彼らは犯罪者として逮捕されたりする。

 

作者自身はそういう「ゆがみ」を社会的な良し悪しとは別に、

あえて肯定的に描いていた。

 

「ゆがみ」が生み出すマイナスや悩みから一歩おいて、

爬虫類の生態を観察する学者のような目線を、

作者はずっと保っていたと思う。

 

進化のために足を失った蛇を研究するように、

醜いかろうと「ゆがみ」があるから生命は輝いているのではないのか。

むしろその「ゆがみ」とも取れる性質こそが、美しいのではないのかと。

 

研究対象が蛇であろうと、人間であろうと、その目線はあえて変えない。

その冷徹さが木々津克久という作家の魅力なのだが、

今作品は、一歩、青臭い部分に踏み込んでいる。

 

妹(蛍)の独白と、

それに続く兄の回答がそれだ。

 

蛍の独白

友達はたくさんいる・・・

意図して作った

社会生活を有利に運ぶために必要だからだ

じゃあ私に

心をさらけ出せるような友達

親友のようなものは

いままでいただろうか・・・・・・

 

兄の答え

人生は計算だけで生きようとするには 長すぎるんだよ

計算はいずれ打算になり それはいつか破綻する

計算だけでもダメ

感情だけでもダメ

もっと失敗も恥も計算できないことをいっぱい経験して

人はやっと大人になるんだ

 

 

「人生は計算だけで生きようとするには 長すぎるんだよ」

というのは至言だと思う。

そして、 人間観察に長けながら、人生論を語らなかった、

木々津克久という作家の本音だとも思う。

 

たぶん、作者も、連載を重ねるうちに変質してきて、

冷徹な学者の枠組みから踏み出し、

生身の人生をキャラクターに重ねて

ついつい語りたくなったのかも知れない。

それが『作家らしくない』ことだとしても。

 

いち読者として、こういう変質は歓迎するし、感動もする。

僕だって変わり続ける環境に身をおく生活者であり、

日々、変質している。

「人生は長すぎる」

予想もつかない変質はいつだって起こりうる。良くも悪くも。

良い方向の変質であれば、喜びとともに受け入れるべきだと思う。

 

兄妹の問答、兄の答えの続き

だから・・・・・・

蛍のことを思う友達ができたと聞いて

僕はとても嬉しいんだ

 

人間は変わり続けていく。

作家であれ、読者であれ、キャラクターであれ。

 

もし変質を己で感じたとき、

良い変質であれば受け入れるといいと思う。

 

成長という言葉を用いたら大げさになることでも、

いちいち祝福すればいいと思う。

 

 

 

※マーニーと蛍の違い

理論派や周りの変人たちに振り回されるマーニーに比べて、

蛍のほうが周りの人間関係を利用する分、性質が悪い。

他社の人間関係を利用したり(桃園さんの恋心とか)

色気で誘ったり・・・

(蛍は自分が美少女だと自覚している、小悪魔的である)

 

※木々津作品のほかの主人公について、

ヘレンesp』のヘレンや『ふらんけんフラン』のふらんは毛色が違う。

マーニーや蛍のような等身大の少女として描かれていない。

 人間を高みから見下ろす、高次元の存在だ。

 

ヘレンは妖精・座敷童の特性で、ちいさな幸運を司る。

フランは神様・悪魔の特性で、天変地異を司る。

 

 

 

※ヘレン、マーニー、蛍の家庭環境

ヘレンは三重苦であり、資産家のオジサマの支援なしでは生活できない。

(オジサマは血縁上もオジサマであり、100%いやらしい意味は含まれない)

 

マーニーの父親は刑事を辞めたしがない探偵、母親は凄腕弁護士。

(こう書くと名探偵コナンの夫婦とソックリだなあ)

 

蛍の親父は町工場の社長で、母はスナック経営。

両方とも儲かっていないため、子沢山の家庭のことはすべて長女蛍が背負う。

ほかの兄妹にも仕事を割り振ればいいのに・・・

全部、一人で背負っちゃうのが蛍の性分で、長所でもあり欠点でもある。

 

 

※僕はただのチャンピオン読者であり木々津克久研究者ではない。

 記述には誤りも含まれている。

週刊少年ジャンプ 感想(5・6号)

 いまさらながらにご感想

 

1位 ハイキュー!!

長い長い戦いが終わった。

あまりに長すぎて第一セットの展開なんか忘れてしまった。

こーゆーのは単行本で読んだほうが面白いんだよな。

 

通しの感想で言えば、

「ウシワカよりゲスブロックのほうが怖かったなぁ」って感じ。

彼はゲスの極みだった。今話題の。ゲスブロックの極み乙女。

 

2位 ものの歩

都大会開幕! 16週目で! 本大会開幕!

ライバル顔見世、緒戦突破を同時やるし、

このサクサク展開はイイね!

主人公はもうモブなんかハナシにならないって感じくらい成長してるし、

 いつまでもウジウジした雑魚じゃつまんないもんね!

 

主人公以上に、作者自身が、急成長してる気がしますね!

美形も無理なく描けるようになってるし、ライバルも強そう。

いちばん気に入ったのは名無しのモブ「部長」なんだけどね。

イケメンでなく、ちょっと小太りなのがキャラ立ってる。

 

まあイケメン将棋漫画路線でヒットしそうな感じもしますが。

 

3位 うすた京介画業20周年&「タベル」1巻発売記念!特別ミニ読みきり

もうマサルさんから20周年かぁ。

この作者のジャンプに乗った分はすべて読んでいるが、

やっぱりマサルさんが一番面白いと思う。

 

雑記

・ 前衛のアーチャー

黒子のバスケで有名な藤巻忠俊さんの読みきり。

内容はタイトルと同じ。びっくりするぐらい。テンプレ。

ふだん現代モノを描いてヒトなので、

「モンスターや、ファンタジーならではの服飾デザインはどうなんだろう」

と思って読み返したが、特筆すべきことがないくらいスタンダード。

うーん、面白みに欠ける。

ただ、すらすら読めちゃうのは売れっ子作家の強みなのかと思う。

 

・バディストライク

野球・・・してない!